AIは人から仕事をとらずにふやせる?
「AIに仕事を奪われる」というフレーズは、すでに聞き飽きた人も多いのではないでしょうか。
ニュースやSNSでは「この職種は消える」「AIで置き換え可能」などの言葉が並び、働く人の不安をかき立てています。
しかし本当にAIは人から仕事を奪うだけなのでしょうか?
私は逆に、AIは人の仕事を減らすどころか増やす可能性があると感じています。
なぜなら「やるべきなのに手が回っていなかった仕事」が世の中には山ほどあるからです。
AIはそれを引き出す“きっかけ”になり得るのです。
AIが「奪う仕事」より「可視化する仕事」が多い
たとえば、営業職を例に考えてみましょう。
これまで「営業」といえば、顧客との面談・資料作成・クロージングといった目立つ部分に時間が割かれていました。
一方で「顧客が本当に求めているものを分析する」「過去の失注理由を振り返る」といった裏方の仕事は後回しにされがちでした。
理由は単純。人の手では時間が足りないからです。
しかしAIが入ることで、過去データの自動分析や資料作成が一瞬で終わるようになります。
その結果、これまで後回しにされていた「失注分析」「顧客理解」といった新しい仕事に取り組める。
つまり、AIは既存の仕事を奪うのではなく、棚の奥に眠っていた仕事を表に出すのです。

実際に私が感じた「仕事が増えた瞬間」
私自身、ブログ運営でAIを使ったときに似た体験をしました。
以前は記事構成を考え、下書きを作り、推敲し…と1本仕上げるのに膨大な時間をかけていました。
ChatGPTを導入したことで下書き作業は大幅に短縮されましたが、代わりに「読者体験をどう設計するか」「SEOに頼らない集客はどうするか」など、今まで考えてこなかった新しい仕事が出てきたのです。
結果的に作業時間は減ったのに、やることリストはむしろ増えた。
けれどその増えた仕事は「やりたかったけれど後回しにしていたこと」だったので、働きがいも高まりました。

AIが仕事を増やす具体例
● 教育分野
AI教材が普及すれば、先生が「教える」以外の役割――例えば「子どもの学習習慣を一緒に設計する」仕事が重要になります。
家庭と学校をつなぐ調整役など、今まで希薄だった仕事が表に出てきます。
● 医療分野
診断補助AIが進化すれば、医師は「説明」「心理的ケア」に時間を割けるようになる。
むしろ患者対応の幅は広がります。
● 副業市場
AI翻訳ツールや資料作成AIが普及すれば、「クオリティの高い納品をスピード重視で行う」案件が増加。
初心者でも取り組める仕事が市場にあふれるでしょう。
逆張りの視点:AIが仕事を増やすことの“負担”
とはいえ、手放しで喜べる話ではありません。
AIが仕事を増やすということは、やるべきことが増えて“忙しくなる”という現実も含んでいます。
つまり、楽になるどころか「選択肢が増えて苦しくなる」人も出てくるのです。
私の知人で、AIを業務に取り入れた結果「やれることが増えすぎて逆に燃え尽きた」という人がいました。
彼は「本当に必要な仕事」を絞り込むことができず、AIに振り回されてしまったのです。
新しいキャリアのチャンス
副業やキャリア形成を考える人にとって、AIは「奪う脅威」ではなく「入り口を広げる存在」と捉えるべきです。
特に初心者にとっては、AIが敷居を下げることで参入しやすい市場が次々と生まれています。
例えば翻訳副業やリサーチ代行は、以前なら高度なスキルが必要でした。
しかしAIが補助してくれることで、「経験ゼロでもスタートできる」環境が整いつつあります。
これはつまり、未経験からでもキャリアの選択肢を増やせるということです。

まとめ:AIは「仕事をとる」より「選択肢を増やす」
AIが進化する未来を不安に思う人は多いですが、実際には仕事は減るどころか増えています。
ただし、それは「本来やるべきだったが時間がなくて放置していた」仕事が表に出てくるから。
だからこそ、AIに奪われない仕事を探すよりも、AIが広げる新しい余白にどう飛び込むかを考えるべきです。
AIは人を追い出すのではなく、人の可能性を押し広げる道具です。
そのチャンスをどう生かすかは、私たち次第。
あなたはその広がった余白を「不安」と捉えますか?
それとも「新しいキャリアのチャンス」として掴みますか?

